本日体験した心が震えるダイニングエクスペリエンスを、出来るだけ具体的に感情的に書き記したいと思い、主観混じります、長文です、何卒ご容赦ください。

Chefs for the Blueが主催する学びと実践の3ヶ月プログラム「BLUE CAMP」。
プログラムの集大成として、京都・東京チームがそれぞれにレストランを期間限定OPENさせ、今日は東京チームの営業最終日、貴重な機会にレストランへお邪魔させて頂きました。

レストランの名前は、
スクリーンショット 2024-08-12 033722.jpg 29.98 KB【あおのいま】

3ヶ月の学びを経て、
海のいま、漁業のいま、水産流通のいま、
たくさんの「あおのいま」を学び、その未来について考え、
レストランという形でそれを表現しました。

舞台は代官山フォレストゲート2Fソーシャルキッチン「調理室」。
スクリーンショット 2024-08-12 012925.jpg 497.36 KBレストランの扉を開くと、
高校生コンビのりささおり の高校生コンビが丁寧な対応、
ダイニングに入る前に、学生たちによるウエルカムプレゼンテーションが始まります。
20240811_133530.jpg 2.43 MB鮮魚店をモチーフにしたショーケースが現れます。

発砲スチールの中、魚を陳列するかごの上に魚種名と共に赤字で数字が記載されています。
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これは過去と比べた現在の漁獲量を示す数字、
水産資源の「いま」を伝え、これからレストラン体験のはじまりです。

ダイニングスペースへ移動し着席、
サービスを担当するスタッフ、調理を担当するスタッフの挨拶があり、
一皿目へ。

1品目【前菜】鰯の冷製油煮    トマトだれ
20240811_134303.jpg 4.08 MB
一皿一皿にメインで調理スタッフの
りゅうまかなのざ から説明があります。
この魚の背景、現状、選んで理由、その一つ一つに意味があり意図をもって考え抜いた学生たちの想いが熱を帯びた言葉で説明されていきます。

2品目【揚物】黒鯛の米粉揚げ    夏野菜のあん
20240811_135355.jpg 2.69 MB
3品目【お膳】鮪づくし/血合いの煮付け/尾の身のつみれ汁/山掛け/香の物/ご飯
20240811_141120.jpg 3.46 MB4品目【甘味】桃の水羊羹    海藻レモン蜜漬け
20240811_144141.jpg 3.22 MBお食事を頂きながら、
普通のレストランでは見慣れないシーンが。
それは、食事をするお客様と同じテーブルに座り、一皿一皿に使用されたお魚の説明や水産資源管理の観点から見た現況をお話してくれ、対話をしつつ食事をします。
20240811_134845.jpg 1.1 MBお客様の前に立ち料理の説明をするのではなく、
同じ高さの目線で語り掛けるこのスタイルはもちろん学生たちのアイデアによるもの。
目線の高さを変えるだけで、同じような説明も伝わりやすくなる、目から鱗の発想でした。

自分たちで考え抜いた料理だからこそ、細部(伝え方)にまでこだわり、
「伝える」ではなく、「伝わる」を徹底的に意識したこのアイデアは素晴らしいと素直に感じました。

同席して説明を担当したのは、えこわくちゃん
わくちゃんは東京海洋大学で水産資源を学び、アルバイトも魚屋、そしてこの夏にBLUE CAMPへ、魚漬けの人生をトレードマークの笑顔で楽しいと語る姿は、心から賛同できる印象深いシーンになりました。
20240811_145227.jpg 2.26 MB食事を終え、メンターシェフの @林亮平@堀内さやか の二人もお客様の席で会話を楽しみしばしの歓談をしていたら、
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メンバーの中でもお兄ちゃん的ポジションで牽引してくれているだいすけ から、ウエルカムプレゼンを受けた場所で最後に伝えたい事がある、とアナウンスが。

20240811_150936.jpg 2.45 MB全員が一列に整列し、
最後のメッセージを伝えます。

伝えたい事が3点、それは、

1    魚は無限にない
2    希望と現実の葛藤


3点目は、、

その話をする前に、この3か月間で学び得た気付き、チーム、個人、様々な葛藤を抱えながら真剣に向き合った「あおのいま」のこと、これから先に続く未来へ、自分たちは完璧な答えを見つけれなかったと言いました。

会場が一瞬ざわついた中、説明は続きます。

応えの見つからない「もやもや」を、今日ここに来ていただいたお客様と話し合いたい、
だから最後の時間は皆さんと意見を交換したい、と。
また、3点目の伝えたい事、それは

知らなければ何も変わらない、
でも、知れば何か変わるかもしれない


知ることからでも、なにかは変わる。
考える事は、なにかを動かす。
前に進めば、波は立つはず。


会場から拍手が沸き起こり、
そこからもう、学生たちと大人が入り混じり色々な会話があちらこちらと。

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会場内にセッティングされた大きな段ボール紙に書かれたみんなの葛藤と思い、
纏まっているようで纏まっていない、「もやもや」な様相を成すこのシートに対峙して、
彼らの駆け抜けた3か月の清き思いに目頭が熱くなりました。
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私は、だいすけ、りゅう、わくちゃんとお話をさせて頂きました。
資源管理と魚食文化、2つのトピックスの内、メンバー個人によって興味関心のある領域は分かれていましたが、お話させて頂いた3人は資源管理に興味がある、と。

もやもやの原因は、管理を司るのは水産庁、つまり政治マターであることにどうしようもない虚無感が生まれてしまう、といった心内を伝えてくれました。

うんうんと理解でき、共感でき、提案を繰り返す会話はとても楽しく、また頼もしく、
若い世代の中にこのフィーリングを抱き続けて欲しいと思いました。
(お話した内容の詳細は割愛します)

時間を忘れ、お開きになってもまだ会話は尽きず、
考え抜いた3か月がいかに豊かな時間であったかを物語っていました。

名残惜しいですが、それでもここでお開きに。
本当に感動した、心から有難いと思える時間を過ごすことが出来ました。

貴重な機会に足を運ばせて頂き、本当に良かった、
皆様本当に有難う御座います。
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学生達の学生達による3ヶ月のチャレンジ」
集大成で垣間見た彼らの想いはとても美しく
有りのままに出す正解も不正解もなく辿り着いたゴールは
この夏に真剣な取り組みをした彼らの心の有り様を魅せてくださいました


伴走した大人の皆様のご苦労は想像するに易く、
関わった全ての方々に感謝申し上げます。


以下は彼らの3か月の軌跡です!
どれもショート動画なので是非ご覧ください^^

⇒BLUE CAMP前半プログラムダイジェスト動画
⇒キックオフ合宿ショート動画
⇒サスエ前田魚店での研修シーン
⇒てのしまでのレストラン研修シーン
⇒企画会議の様子